社会への取り組みSOCIETY

ネグロス島プロジェクト

ネグロス島の現状と課題

ネグロス島はフィリピン中部のビサヤ諸島に位置しています。農業が栄え、「砂糖の島」と呼ばれるほどサトウキビの生産が盛んな地域です。

近年フィリピンでは経済成長が続いており、ネグロス島の都市部でも急速な開発が進んでいます。
その一方で、貧富の格差も広がりつづけています。特に山間部や農村部では、多くの人々が農業での労働収入に頼って生計を立てており、市場価格の変動によって収入が不安定となり、飢えや貧困に苦しむ人も少なくありません。

このような状況から、家の手伝いや経済的な理由で学校に通い続けることができない子どもたちが数多くおり、教育の機会に恵まれないといった深刻な問題も起こっています。

ネグロス島プロジェクトの誕生

ネグロス島の現状を踏まえ、SDGsの目標にある「質の高い教育をみんなに」に取り組むため、2020年からネグロス島の青少年支援プロジェクトを開始しました。

このプロジェクトは、ネグロス島の支援活動を行っているNPO法人IMAGINUS様と提携し、奨学金プログラム・仕事づくり・寄宿舎建設の3つの支援活動を柱として展開しています。
学習支援や雇用創出の取り組みを通じて、ネグロス島の人々が安心して過ごせる生活環境の創造を目指しています。

ネグロス島プロジェクトの誕生

ネグロス島プロジェクトの
取り組み

仕事づくり

農村部に暮らす人々が貧困のスパイラルから抜け出すためには、自らの力で基礎収入を上げることが必要です。当社はネグロス島の新たな生産品の開発・製作を支援し、安定した仕事をつくることで農村部の所得向上を目指しています。

今後も、設備の充実やスタッフの増員といった取り組みを進め、仕事の輪を広げていく予定です。地域の資源や特産品を活かした製品開発を通じて、農村部の人々に安定した収入源を提供し、自立して生活できる環境を築いていきます。

仕事づくり

奨学金プログラム

当社は2020年11 月にネグロス島のザンボアンギータ市から認可を受け、経済的な理由により学校に通えないネグロス島の子どもたちを支援する「奨学金プログラム」を開始しました。
2021年 2月2日に各小学校から推薦された児童に対して奨学金授与式を執り行いました。その後も毎年、奨学金の支給を継続しています。

● 事業実施:NPO法人 IMAGINUS
● スポンサー:ネグロス電工株式会社
● 後援および写真提供:
Darwin English Tutorial International Inc.(DETi・デティ)

奨学金プログラム

寄宿舎建設

フィリピン・ネグロス島には経済困難や山間部などの地理的条件が厳しいことを理由に学校に通えない子どもたちが数多く存在しています。
こうした子どもたちが安心して生活を送り、市街地の学校へ通うことのできる場所の提供を目指して寄宿舎建設事業がはじまりました。

2020年11月より寄宿舎事業が動き出し、コロナパンデミックや大型台風直撃などのさまざまな困難を乗り越えて、2024年3月 に寄宿舎「Malika」が完成しました。これからも、生徒ひとりひとりの笑顔あふれる生活をサポートしていきます。

ネグロス島プロジェクトのこれから

ネグロス島プロジェクトの奨学金プログラム・仕事づくり・寄宿舎建設の3つの支援活動に加えて、「みどりの架け橋プロジェクト」「ウエスと・再度・ストーリー」の2つの新たな活動を開始しました。

これらの活動は、ネグロス島プロジェクトの資金創出を目的として、社内で募集したアイデア提案をもとに企画・実行されました。
社員からのアイデアを活かし、ネグロス島プロジェクトは今後さらに活動の幅を広げていきます。

みどりの架け橋プロジェクト、ウエスと・再度・ストーリー

みどりの架け橋プロジェクト

みどりの架け橋プロジェクトは、ネグロス島の子どもたちを支援する「ネグロス島プロジェクト」と、障がい者雇用を促進するためにスタートしたネグロス農園「ミキファーム」の2つのプロジェクトを繋ぐ架け橋として誕生しました。

農園で栽培された野菜を受け取った従業員が、ミキファームで働くスタッフにメッセージを送ることでポイントが付与され、そのポイントはネグロス島の子どもたちへ学びの機会を提供するための資金に繋がります。ネグロス電工従業員とミキファームのスタッフの思いを結びつけて、ネグロス島の子どもたちの未来に夢と希望を繋げるプロジェクトです。

従業員からミキファームへ送られたメッセージカード

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ミキファーム

当社はダイバーシティ推進の一環として、障がいを持つ方へ活躍の場を提供することを目的に、2020年3月、ネグロス農園「ミキファーム」を開園しました。

水と肥料をつかった水耕栽培を行っています

栽培した野菜は従業員に配布され「みどりの架け橋プロジェクト」を通じてネグロス島への支援金となるほか、地域の子ども食堂にも無償で提供されるなど、さらなる社会貢献活動に役立てられています。

野菜は新鮮な状態で袋詰めされ社内配布されます

ウエスと・再度・ストーリー

ネグロス島プロジェクトへの資金創出活動のひとつとして「ウエスと・再度・ストーリープロジェクト」を発足しました。

ウエスと・再度・ストーリー

ウエスとは機械類の油や汚れ・不純物などを拭き取ってきれいにするために用いる布のことで、従業員が使用しなくなった衣類を回収・再利用してウエスの購入費用を削減し、節約できた費用をネグロス島プロジェクトの資金として運用しています。

回収ボックスを全事業所に設置しています

安全への取り組み

BCP訓練

当社は2022年にBCP策定の一貫として「初動対策マニュアル -地震編-」を作成し、そのマニュアルの有効性を検証するためにBCP訓練を繰り返し実施しています。

BCPの目的は自然災害などの危機的な状況に遭遇した際に、損害を最小限に抑え、重要な業務を継続し早期復旧を図ることにありますが、当社のBCPはそれだけに留まらず、災害発生時の復興工事に工事材料を供給しなければならないという社会的責任も含まれています。有事の時にこそお客様や社会に貢献できるよう、BCPの実効性を高める努力を続けて参ります。

BCP訓練

全社安全大会

当社は長年にわたり「安全の最優先」を掲げ、年に一度、全国の事業所の代表者が一堂に会する「全社安全大会」を実施しています。

この大会では、事故や災害の実例報告、好事例紹介などを通じて、安全意識の向上と新たなリスクへの対策強化を図っています。実例報告では、具体的な事故事例を取り上げ、概要や要点を整理し、再発防止のための対策を学びます。好事例紹介では、各工場や事業所の安全対策の成功事例を共有し、事故防止策の横展開を推進しています。

保健師による健康や衛生に関する講習も行われ、従業員が安全を維持するための知識を身に付ける機会を提供しています。

全社安全大会

VR安全訓練

従業員の安全意識向上と事故防止のため、VR(バーチャルリアリティ)を活用した安全訓練に取り組んでいます。

VRゴーグルとコントローラーを使用し、臨場感のある映像で現実の作業に沿ったシナリオを体験することができます。仮想現実の中で、実際に体を動かし、声を発するなど危険な状況をリアルに体験することで、危機管理能力の向上に貢献しています。厚生労働省の労働災害防止計画でもVR技術を応用した危険感受性を高めるための教育が推奨されていることもあり、これら労働災害の予防に効果的と言われています。

VR安全訓練
滋賀工場 VR安全訓練の様子

避難訓練

予期せぬ事故や災害に備え、全事業所で状況に応じた避難訓練を実施しています。

避難経路の確認や安全確保の手順を繰り返し学び、各人の当事者意識と判断能力の向上を図ることを目的としています。今後も定期的に訓練を続け、安全な職場環境の維持に努めていきます。

避難訓練
横芝工場 夜間訓練の様子

AED講習

当社は従業員・ご来社されるお客様、地域住民の方々の緊急事態に備え、2007年より全国のすべての事業所にAED(自動体外式除細動器)を設置しています。

また、迅速な救助活動を行えるように、従業員に対して定期的にAEDの講習会を開催しています。

社員によって行われたAED講習会の様子

サイバーインシデント対応訓練

当社は、実際の事象を想定したサイバーインシデント対応訓練を実施しています。

企業を狙ったサイバー攻撃手法は年々高度化しており、有事の際にいかに迅速に対応し被害を最小限に抑えることができるかが重要です。社内のみならずサプライチェーン全体の安全を確保するため、今後も引き続きセキュリティ対策を強化していきます。